オオタデザインオフィスがお手伝いさせて頂いた個人住宅・施設などの実績をご紹介します。
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王寺の家 | NEW! |
「丘の上の家」
奈良県王寺町の開発された丘陵地の一区画にあたる今回の敷地は、若い家族が多く住む地区で、静かな生活環境です。
最初に現場調査で現地を訪れ、道路から車庫上の建物地盤まで上ると、とても気持ち良い眺めでした。そこで、なるべくこの眺望を取り入れる計画としました。
しかしながら、「眺望が良い=高く上にのぼる」というこの図式は、日々の生活の中ではなかなかつらい運動です。
そこで敷地の一部を掘削し、建物の半分を0.5階分下げることで、道路面から玄関までの階段数を下げることに成功しました。
同時にこの掘削によって、敷地外周の擁壁がそのまま手摺り替わりとなり、フェンス費用の削減にもなっています。
この0.5階下げた部分には、主寝室・トイレ・洗面・浴室を配置し、もともとの地盤面レベルにはリビング、2階部分にはダイニング・キッチン、子供部屋をレイアウトしました。
こうする事で、もともとご要望のあったスキップフロアーも実現でき、尚且つLDKが吹き抜けの大きな空間で繋がりました。(空調的には大空間を網羅する為に、床暖房が入っています。) この空間構成は、とても伸びやかで広がりのある視覚的効果をもたらします。
さらに吹抜けのリビングの先には、大きな開口があり、奈良の山々の稜線が美しく見渡せます。
この開口計画でも難しい点がありました。計画時点では、まだ廻りの敷地は未成約地ばかりで、どんな建物が立つか分かりませんでしたので、あくまでも想定で進めなけばなりませんでした。
幸い想定が外れることなく、周囲に極端に高い建物や、視線を遮るような家は建たなかったので、今回の眺望を確保することができました。(ちなみにこの家の竣工前に、多くの家が数ヶ月で建ち上がり、先に竣工するという興味深い事象が起こりました。このように、オーダーメイドの注文住宅はやはり手間はかかりますが、それだけ良い建物になるよう施工者も努力してくださいます。)
さてプランに戻すと、LDKの大空間をさらにダイナミックに見せているのが、登り天井と表し梁でしょう。夜になると間接照明が構造躯体を照らし上げ、空間に力強さと安心感が加味されます。
さらに、これらの梁から下りる照明器具にも一工夫し、配線レールなどを埋め込む事で、梁廻りをすっきり見せています。
キッチン横の通路床にはFRPグレーチングを使った、穴が開いています。これは、2階の天窓からの光を暗くなりがちな、1階の廊下に落とす工夫と、空気のサーキュレーションを助ける為に設けました。1階の中廊下の、トイレと洗面所に入る部分の上に設けているので、ふわりと明るく柔らかい空間が確保できました。
リビング横にはタタミスペースもあり、お子さんが遊ぶことができます。その横の半階下部分には、PC・DJスペースがあり、旦那さんの趣味や奥さんのネット環境も整備しています。
2階奥に配置した子供部屋は、通気、採光に優れ、将来2部屋に間仕切ることができます。LDKを通ってから部屋に入るプランとしているので、家族のコミュニケーションも豊かになるでしょう。
収納も十分確保する計画としました。主寝室横には1坪のウォークインクローゼット、キッチン横にも1坪の食品庫を設けています。ダイニング横の屋根付きバルコニーに食品庫が面しているため、湿気を排除し十分な換気環境にあります。
浴室は近隣の視界から外れた位置にレイアウトしたので、大きな窓を設けても、周りから見られることはありません。夜の庭園灯に照らされた庭を眺めながらの入浴は気持ち良さそうです。
横にある洗面所からは、外部物干しが勝手口横にあり、家事動線もスムーズです。
今回は施主さんも多く参加してくださいました。(これはコスト削減にもなります。)
こだわりの照明器具やキッチン、さらにタイルなどは施主支給としていただいたり、階段周りの手摺りはなんと!スチール製作関係に携われている旦那さんの手作りです。
このように、自宅に自分で手を入れることで、ますます家に愛着を持っていただけたのではないかなと思います。
これからも、豊かな眺望を堪能できる生活を送っていただけたらと思います。
-準備中- (竣工の一年後に、お客様から頂く予定としています。) |
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